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第19回 五島で輝いている人

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漫画家

睦原 みらいさん

移住して約半年となる睦原みらいさん。約1年前、五島市にて行われたお見合い番組、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。そう、彼女は「ナイナイのお見合い大作戦!(TBS)」で今の旦那様と出会い、関東から五島に移住されたお一人なのです。そして彼女のお仕事は漫画家。関東であわただしい生活を送っていた彼女の、1年前までの生活と、五島でのこれからのお話を伺いました。

五島との縁

「五島へ来たのは、番組企画で訪れたのが初でした。でも、アシスタント先の先生が三井楽水産さんの鬼鯖寿司ファンだったり、従兄弟が仕事で五島に縁があったり、それまでに何かと「五島」という文字を耳にする機会があって。行ってみたいなと思っていました。」

そんな中で見つけた番組のwebサイトで、五島市の美しい景色を見て応募。選考を通過し、ついに五島へ訪れることに。

「番組企画だったので海などには全然行けなくて…でも頂いたお食事がどれもとても美味しくて、感激しました。主人とは、1日目の立食形式の自由歓談の時、たまたま同じタイミングで飲み物を飲みにテーブルに来ていて話が弾みました。お宅訪問も伺わせてもらって、会社の方など地元の人ともお話できて、いいご縁をもらえたなと思っています。」

場所を選ばずできる仕事

「島根出身で、転勤もあったりしたので、生粋の関東人でもないんです。なので、移住に対しては抵抗もなくて。漫画家のお仕事も、今はインターネットがあればどこでもできるので、関東でなくてもいいなと思っていました。」

漫画といえば、紙にペンで描いて、色をつけたりシートを貼ったり……そんなイメージを持っていましたが、ネット漫画というものも出ている時代。漫画の世界も色々なものがあるようです。

「まずは手書きをして、それをスキャンしてコンピューターに取り込んで、仕上げをしています。昔はアシスタント先で徹夜作業して、新幹線便で提出したりもありました。原稿も、とにかくいろんな出版社に持ち込んだり郵送したり。同じ原稿を別の会社に送るのはよくない、というような暗黙のルールみたいなものもあったりして、とにかく書いて書いて応募して。出だしの頃はそういう時代でしたが、今は漫画界も変わってきていると思います。」

漫画家を目指すきっかけ

「昔からお話を作るのが好きでした。中学二年生くらいの頃に、お話を作って、絵を描いてという事を始めて、進学を機に専門学校に行きました。でもその後の下積みはかなり長かったので、今こうやって仕事をいただけているのも運が良かったなぁと思います。」

一点突破漫画賞で獲得した、

優秀賞でコミックゼノンデビュー

「WEBコミックぜにょんというサイトの新人賞にネット投稿しました。

ここで優秀賞をいただくことができ、コミックゼノンの新人枠に掲載されました。

今は担当さんもついて仕事をしています。

基本的にSF系の話が好きなので、これからもSF作品を書けたらと思っています。」

取材時は次のお仕事の制作真っ最中。

順調にいけば6月にWEBコミックぜにょんに登場予定とのこと。どんなお話か楽しみです。

いつか五島の事も

「漫画家として、これからいろんな作品を作っていきたいです。せっかくこの地に移り住んで来たので、落ち着いてきたら五島のことも作品作りで取り入れていければいいなとも思っています。」

漫画やアニメは今や日本が誇る文化。

五島の地で描かれた作品が、世界中の人々に届くのだと考えると、とても楽しみです。

▲最後に似顔絵を描いてくださいました。

デジタル化しつつも、私は紙に描くのが好きだと語る睦原さん。

墨の香りと万年筆が紙を走る音は、見ているこちらもとても心地よく、柔らかな表情で書きあげる睦原さんの様子も印象的でした。

文:藤田 佳子  フォト:橋本 賢太

fullyGOTO2019夏号掲載

【取材・執筆・掲載】fully編集部

五島ではたらく若者応援 fullyGOTO2019夏号 表紙の顔

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fullyGOTO 2019年 夏号

表紙の顔 山家ヤスエさん

今回夏号の表紙を飾ってくれたのは、山家ヤスエさん29歳。

日本のほぼ裏側の国、ブラジルのご出身で、3歳から日本に住んでいたこともあり、ポルトガル語はもちろん、英語、日本語も巧みなトリリンガル。

2年前ここ福江島に移住し、ご主人と4歳になる息子さんと3人で暮らしています。

今年の4月、アウトドア用品のレンタル業「DUNNAS」を起業。

知的でグラマラスな印象を持ちながらも、話してみると自然体でとってもチャーミング。

身近な人たちからは、「ラウラさん」との愛称で呼ばれているそうです。

  • 移住のきっかけは子育て

ご主人との出会いは大学4年生の時。

「子育てをする中で、都会ではなく田舎で暮らしたいという思いが強くなり、移住先を探し始めました。九州をあちこち見て回り辿り着いた五島を、主人がすっかり気に入ってしまって。息子と一緒に来てみたら、自然の豊かさと静けさに圧倒されました。ここで子供を育てたい!と強く思いこの地に移住することを決めました。」

  • 起業のきっかけも子育てから

五島で暮らし始め、子供と一緒に自然の中で遊ぶことが多くなるにつれ、ある思いがヤスエさんの心に湧いてきました。

「五島の良さは、自然の中に何もないところだけど、何もないと子供連れには不便なこともあります。夏場は日影を探すのに苦労したり、冷たい飲み物がすぐに手に入らなかったり。それはきっと他のママ達も感じているはず。そんな時、アウトドアで使うアイテムをシェアするサービスがあったらいいなと思いました。

島に住む方や観光客が、必要なアイテムをシェアできたら合理的だし、観光や暮らしを数倍楽しむことが出来るのではないかと考えました。」

ヤスエさん自身が実際に直面し困ったことを解決したいという思いが起業のきっかけとなったのです。

  • サービスの仕組みは実にシンプル

ご主人がご兄弟で経営するセレンディップホテル1階を店舗として間借りして、HP等で予約を受けた商品の配達と回収のみを行います。

商品のメインはビーチで使うアイテム。

泊りのない「デイキャン」用のグッズや、移動に最適な電動自転車など。(詳しくはHP https://dunnas-goto.com/ インスタグラム「DUNNAS.GOTOISLAND」に掲載)

  • DUNNAS 3つのビジョン

① 美しいこと

② 合理的であること

③ 自然であること

「エコを意識し、自然とともに生きていくためのコンセプトや理念を持った会社の商品や、フェアトレードの商品を吟味して取りそろえています。

動物性のものを使わないビーガンバックやラグは見た目も素敵で長持ちしますし、自然に優しくて美しいものを日常に取り入れることで心も豊かになると思っています。

また電動自転車は排気ガスを出しませんし、外国人で免許がない人にも気軽に自然を楽しんでいただけます。

そしてただ景色を見るだけでなく「体感」してもらいたい。

  • 無理のないワークライフバランス

「朝は6時に起床、家族のために朝ごはんを作り家事をして、9時前に幼稚園バスで息子を見送った後レンタル用品の配達や、回収したアイテムのメンテナンス、営業やPR活動など自分の仕事を開始します。3時半頃には息子が帰ってくるので、それ以降は子供との時間。家族との時間は大切にしたいので、今後もこのライフスタイルは崩したくないと思っています。」

  • コミュニティも充実

「子育てに行き詰った時は行きつけのカフェで、顔なじみの先輩ママたちに相談しています。大丈夫大丈夫!の言葉にいつも救われていて、そこに来る子供たちも息子と仲良くしてくれるので、本当に助けられていると感じています。

また、五島は今グローバルで、個人で起業している面白い移住者が多いと感じます。コラボで仕事をしたり、イベントを開催するなどコミュニティが広がっていくのも楽しいです。」

学生時代、東京で、経営学や各国の文化やアート、経済について学んでいたというヤスエさん。五島に初めて来た時の感動と、子育てから導き出された島ならではの素敵なサービスはその知識が活かされているのですね。人生どこでどう繋がるかわからない。彼女からそんなことを学ばせてもらった気がしました。

fullyGOTO2019夏号掲載

【取材・執筆・掲載】fully編集部

あじさいまつり

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【魚津ヶ崎あじさいまつり】6/2日曜日、魚津ヶ崎公園で「第8回 魚津ヶ崎あじさいまつり」を開催しました。 紫やピンク、深みのある青など、あじさいたちのおかげで公園は色鮮やか。ステージでは、バンド演奏やダンスのほか、抽選会や餅まきも行い、出演者も来場者も楽しんでいました。今、あじさいは4分咲きで、今月いっぱいは楽しめるそう。雨の中でもしっとりとした美しさが印象的なあじさいは、これから見頃を迎えます。魚津ヶ崎公園に足を運んでみてくださいね。(取材:fumoto)

あじさい園 ライトアップ

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ライトアップは本日、21時まで!
昨日から、魚津ヶ崎公園あじさい園のライトアップが始まりました。小雨が降る中、徐々に色づきはじめた約1,200本の紫陽花が、ライトを受けて、昼間とは違った艶やかで幻想的な景観を見せます。生憎の雨模様にも関わらず、傘をさして花を楽しむ人々で賑わいました。

家族と訪れた女性は「初めて来たけど、とても綺麗で素敵ですね」と笑顔で答え、鮮やかな花をカメラに収めていました。
ぜひ遊びにお越しください!


【取材・執筆】fumoto
【掲載先】五島市役所|Facebook

 

 

多郎島公園で太極拳

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更新日:2019年5月31日

富江では毎週水曜日に「多郎島公園で太極拳」が開催されています。

13時30分から15時30分までのおよそ2時間、目の前に広がる海を眺めながら講師の山本先生の指導のもと、15名ほどの参加者の方々が息を揃えて太極拳を行います。

太極拳はスクワットと同じような基本姿勢が続き、片足でバランスをとることも必要とされるため、筋力、持久力、柔軟性の向上に繋がります。

健康のための体操というイメージが強い太極拳ですが、もともとは中国武術の一派で、小さな力で大きな力を制するための拳法です。そのため山本先生は、武術としていつ攻撃されても対応できるような重心の取り方や、足の運び方など、相手を想定した動作についても詳しく説明していらっしゃいました。

潮風を感じながら太極拳を終えた参加者の方々は、清々しい様子で、「次回の開催を心待ちにしています!」と語っていました。

お電話でご予約、もしくは直接会場にお越しいただければ、どなたでも参加可能です。

こども自然公園大会

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更新日:2019510

毎年53日は、鬼岳で「こども自然公園大会」を開催しています。
令和元年53日(金曜日)、令和となって初めての大会を開催しました。

当日は天気にも恵まれ、ゴールデンウィーク中ということもあり、朝から凧揚げや草スキーをして遊びまわる子どもたちで賑わっていました。
福江の町が一望できる最高の景色の中、五島高校吹奏楽部による素敵な演奏も。訪れている人たちは、音楽に合わせて手拍子をしながら、景色と音楽を楽しんでいるようでした。

また、雲ひとつない空にはたくさんの凧が揚がり、中でも、五島市の民芸品であるバラモン凧は一際存在感を放っていました。他の凧に比べて揚げるのが難しいようで、なかなか揚がらずに苦戦しつつも、巧みな技術によって空に舞い上げる姿はまさに名人芸。
訪れている人たちも歓喜の声をあげ、たくさんの人がカメラを向けていました。

 

こども自然公園大会

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「こども自然公園大会」が鬼岳で開催され、たくさんの家族連れがバラモン凧揚げ、ジオツアー、草スキーなど自然の遊びを楽しみました。「風が来たぞ!もっと紐ひかんば!走れ走れ!」と、凧揚げに奮闘する人に笑顔で声をかける男性も。バラモン凧は、ブーンと独特の音を響かせながら澄み切った空をゆったりと泳ぎます。また、会場では五島高校吹奏楽部がダンスを織り交ぜながら演奏を行い、訪れた方を楽しませました。(取材:fumoto)

 

富江半島ブルーライン健康ウォーク

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富江半島を元気にウォーキング!
「富江半島ブルーライン健康ウォーク」が、さんさん富江キャンプ村で開催されました。517人のが参加者が、半島から見える広々とした景色を眺めながら、それぞれ4km、8㎞の道のりをウォーキング。初めての参加という30代の参加女性からは「普段は歩かないから疲れたけど、出店がたくさんあって楽しい」との声も。会場ではGW産業市も同時開催し、多くの方で賑わいを見せました。(取材:fumoto)

第18回 五島で輝いている人

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Wood craft tableware

川口 伝恵さん

新上五島町丸尾地区には、木材がぬくもりある逸品に生まれ変わる場所がありました。

浦桑から津和崎方面に車を5分ほど走らせたところにある民家の脇にたたずむのが、川口伝恵さんの営む木工食器・雑貨のお店「木・haru」です。

初めてのものづくり

川口さんは福岡出身。福岡での会社員時代に知り合った新上五島町出身のご主人と結婚し、この地にやってきました。

「それまでは何かを作るようなことはしていなかったけれど、たまたま参加した糸紡ぎの会にはまってしまって。

古い布団の棉を原料に糸を紡いで、それをこの土地の草木で染めて糸づくりをしてました。」

ここで始めた糸作りが、「木・haru」誕生のきっかけとなります。

「ある時、椿を使った木工細工をする人を募集しているのを知ったんです。そこに参加して今度は木工を勉強しました。作った糸を織ったり編んだりして小物を作っていたので、それに合うボタンが欲しくて。なので最初作っていたのは椿の木のボタンなんです。」

椿の幹の断面が見えるボタンは、一つ一つ形・大きさが違い、選ぶだけでも楽しくなります。椿の木のボタンをあしらったヘアゴムは、髪留め以外にもスカーフやストール留めにも。

自然素材なので、綿や麻などナチュラルな素材の布地によく合います。

ぬくもり感じるカトラリー

その後カトラリー作りもはじめた川口さん。

椿を中心に五島にある木を使い、スプーンやフォーク、お箸など種類も豊富です。

「一番好きなのはスプーン作りです。実は形も2種類にしているんです。柄の部分が真っ直ぐなものと、丸みを帯びているものと。

お客様とお話ししながら、合うものをおすすめしたり、実際に持ってもらってしっくりくるものを探していただきます。」

少しずつ、形を変えて

木材は、伐採のタイミングで新上五島町椿木工技術振興会や会員に連絡がくるため、現地に出かけて調達します。それまでは廃材となっていたものが、こうして作り手さんたちの手に渡り、様々な形に生まれ変わります。

「製材から自分でやっています。なので平日はもっぱら制作作業です。椿の木は、年間1ミリほどしか成長しないので、他の地域は細いものが多いんです。でも、昔から椿が豊富だった五島は、幹が太いものが多く、作るものの幅も広がるのでとても恵まれています。

木材は伐採後、数年かけて乾燥させていくので、材料になるまでにも時間がかかります。」

少しずつ、時間をかけて製品となる過程も、年輪をゆっくりと刻む木の成長と重なって、愛着を感じます。

木製ならではの良さ

「仕上げも2種類で、椿油仕上げのものと、塗装をしたものとあります。椿の木は、磨くだけでもつるっとした仕上がりになるので、持った感触がとても気持ちがいいんです。椿油仕上げのものは、オイルを塗り込んだりとお手入れをして頂くことで、より長く使っていただけます。ただ、食器ということで水にも触れますし、気軽に使っていただけるのは塗装仕上げです。

そして木製のカトラリーの良さは、修繕しながら長く使っていただけることです。かけてしまったり、塗装が剥がれたものは、お持ちいただき修繕もしています。」

木・haruのこれから

「ゲストハウスのキーホルダーのご注文をいただいたのですが、そこから色んなご縁にもつながりました。一人で作っているので、今はたくさんの注文をお受けできないのですが、こうしていろんな物作りができるのは楽しいです。

オンラインショップ販売や、製作体験なんかもしていきたいと思っています。

今、プレゼント用の化粧箱も作る予定なので、商品もいろんなシーンでお求めいただけたら嬉しいです。」

海の恵・山の恵

新上五島町に越してきて14年。五島で好きな場所を尋ねると、意外な趣味がまたひとつ見つかりました。

「海にいくのがとても好きで、ここにきてからサーフィンを始めたんです。休みの日など、夫と乗りに行ったりしています。高井旅の海がお気に入りです。」

自然豊かな島ならではの生業と、趣味。川口さんから伝わる穏やかで、暖かな雰囲気も、そんな暮らし方にぴったりと合っていて、お店に並ぶ商品にも現れています。島の恵を様々な逸品に変えて伝える。伝恵さんのお名前の通りで、再び納得してしまいました。

文:藤田 佳子  フォト:橋本 賢太

fullyGOTO2019春号掲載

【取材・執筆・掲載】fully編集部

五島ではたらく若者応援 fullyGOTO2019春号 表紙の顔

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fullyGOTO 2019年 春号

表紙の顔 高浪 洋人さん

今回春号の表紙を飾ってくれたのは、高浪洋人(ひろと)さん。

新上五島町のケーキ屋さん「菓子の木」のパティシエであり、イケメン看板ボーイ。

白のパンツがよく似合う長身でスレンダーなモデル体形でありながら、小鹿のような瞳がどこか幼さも感じさせる魅力的な男性です。さぞかしモテるかと思いきや、現在恋人募集中とのこと。

天職のケーキ職人と出会うまでの道のりは?

小さいときから料理を作るのが好きでした。自分で食べるより食べて美味しいと言ってもらうのが好きで、料理人の道に進みたいとも考えましたが、安定した職業を求め、1度は別の道を目指していました。

でもその道は自分には向いてないと気づき、辞めることを決意。帰郷しすぐにこのお店の面接を受けたのですがその時はご縁がなく、1年間スーパーの鮮魚コーナーで働きました。1年後スーパーを辞めるタイミングで菓子の木の店長に声をかけていただき、念願の職人の道に進むことができました。

ケーキ職人になってどうですか?

自分はやはりモノづくりが好きで、自分の作ったものが人を笑顔にし、美味しいと言ってもらえることで自分も幸せな気持ちになるこの仕事が本当に楽しいです。

お祝いにつきもののケーキ作りは、人を笑顔にする仕事。自分の天職だと実感しています。

お休みの日は何をしていますか?

同級生も殆ど島外に出ていますし、休みが平日なのもあって、あまり外出はせず家で過ごすことが多いです。部屋の掃除をしたり、一緒に住んでいる祖母の外出のお供をしたりしています(笑)

 

応援企業 菓子の木様

新上五島町、有川の中心地にほど近い、住宅街に建つ手作りケーキのお店「菓子の木」は創業32年。

店長の川崎正治さんが大阪で修業をしたのち帰郷、一代で築きました。有川内で3度の移転をし、今の場所に落ち着いて丸5年、今年6年目を迎えます。お店のモットーは「大きくて、安くて、美味しい」こと。

店頭に並ぶ商品ラインナップの9割以上は創業当時から変わらないというから驚きです。

商品のレシピとお店のモットーは修行先の社長から受け継いだもの。今は小さくて高価なケーキ店も多い中、この味と大きさは創業当時のまま。中でも一番のおすすめは「スフレチーズケーキ」。いただいてみましたがほんとに大きくてびっくり。お値段も370円(税抜)とお財布にも優しいのです。味は言うまでもありません。ほかにもモンブラン、ショートケーキ、シュークリームなど定番商品があり、この4種類が美味しいお店は間違いないと店長は言います。

地域のおじいちゃんおばあちゃんがなつかしがって買ってくれたり、最近では観光のお客様が「大きいですね?」と買っていかれることも増えたそう。

店長が30年以上やって分かってきたこと、それは、良いものは一周回ってもまた選ばれること。「儲けてビルを建てようなどとは思いません、ただ地域に愛されるケーキ屋としてとにかく長く続けていけたら」今後も庶民的な味としてリピートして食べたいケーキを作り続けたいと、穏やかな笑顔で話してくれました。

※お店の営業時間は10時~18時まで。

(ケーキがなくなり次第閉店する場合もございます)定休日なし

バースデーケーキ等のオーダーメイドも承っています。注文は基本前日まで。

ホールケーキのデコレーションでキャラクターの依頼がある時は看板ボーイの高浪さんが腕をふるいます。「彼には絵心もあり、美的センスもあるので、彼に任せています」と店長。

創業当時から続くお店の味を惜しみなく教え、それに答えていく若者。

後継者問題が深刻な今の時代に、こんな素敵な関係を築けている菓子の木さん。店長のお人柄がうかがえます。

彼の働きぶりはいかがですか?

まだ就職して1年ですが、ほんとに覚えが早いし才能があると感じています。お店で出している商品の殆どを作ることができますし、任せられることが多くとても助かっています。

仕事に向かう姿勢や、なによりフィーリングが合いますし、一緒に仕事がしやすく、とても教え甲斐があります。直感でこの子いいかなと思ったのは、間違いではなかった。まさに運命的な出会いだと思っています。

今後彼に期待することは?

若者ならではの自由な発想とアイデアで新しいものも生み出しつつ、先代の味や大事なものは継承していってほしいですね。地域の為になるような仕事、地域に愛される仕事を続けて行ってほしいと思っています。

fullyGOTO2019春号掲載

【取材・執筆・掲載】fully編集部