五島列島を満喫するフリーマガジン「fullyGOTO」と地元在住のライターチーム「fumoto」が取材した記事を発信する、情報サイト

第32回 五島で輝いている人

浜方ふれあい館 館長 福井 ルリ子さん

宇久島の港から海沿いを歩くこと15 分、旧宮崎缶詰所と書かれた建物が。ここは現在、体験型施設として「浜方ふれあい館 (はまがたふれあいかん)」に生まれ変わり、福井ルリ子さんが館長を務めています。

福岡から宇久島へ

ルリ子さんは福岡出身。ご両親が宇久島出身ということもあり、子供の頃から宇久島を訪れる機会がありました。そして、そろばん教室で講師をしていたルリ子さんは、教え子たちを連れて宇久島を訪れます。

「大人になって来てみた時、なんて綺麗な場所なんだろうと思っていたら、縁あって結婚を期に宇久島に住むようになって。今でも、下り坂から見える港と海の景色に癒されています。」ルリ子さんは今も、平日の月曜日と水曜日はそろばん教室を行い、土日祝日にふれあい館を運営しています。

自分たちの力で 

 「宇久島に来て一番驚いたのは、コミュニティーの繋がりの強さと、みんな何でも自分達でやるという姿勢。最初はついて行くのに必死でした。このふれあい館も、地域の人たちの力で作られたものなんです。」缶詰工場が閉鎖し、建物だけの状態となって漁師さんに売却された本館を、平成20年に地元の人たちで協力し改装。文化継承を行う場所を作るため、地域の皆さんの想いが詰まった場所となりました。

いろんな人が集える場所

 ふれあい館では、鯨の骨や、供養塔の写真、漁をしていた頃の写真、巨大な鮑の殻などを展示しています。「訪れた方が、もし観光の方と分かれば、説明をさせていただいています。主人は生まれ育ちが宇久島で、とても詳しいのですが、まだまだ私は勉強中なので、地元の人からいろいろ教わっています。」そして、海士(あまんし)や捕鯨の歴史文化を知ることができる場所であると共に、憩いの場としてもひらかれているふれあい館「。子供の遊び場が無いので、駄菓子やくじ引きを置いています。遊びがてら集う場になって、宇久の歴史も自然と知ってくれたら良いなと思って。」カフェスペースもあり、メニューはソフトクリームとドリンク類、夏にはかき氷が加わります。

鮑、サザエ、そして鯨 

 宇久島は、鮑とサザエがよく取れる地で、全盛期には解禁日に人100kgを揚げてくる漁師さんがいたほど。温暖化等が原因か、近年では数が激減してしまいましたが、アワビがわずかで、サザエが若干水揚げされています。そして近隣の島々と同じく江戸時代ごろから捕鯨が始まり、これも大切な産業の一つでした。南氷洋捕鯨(南極の海)へ行く人たちもおり、帰ってきた際はお土産としてたくさんの鯨が皆に配られました。なので、鯨肉は一番身近で豊富なもの。そんな歴史から、鯨商品はここ浜方では今でも定番の品です。ふれあい館では現在も地元の人がよく買いに訪れます。

 「島ではレンタカーや電動自転車の貸出があり、どこかに行く前に寄っていかれる方も多いです。平日も、事前に電話をいただいて予定が入っていなければ開けることも可能です。自動販売機もあまり無い土地なので、海に行く時の飲み物だったり、お土産品だったり、利用して頂ければと思います。」

コロナ禍で減った観光客も、少しずつ回復している様子。「今の夢は数年中止となっている七夕まつりを復活させること。やはりお祭りは皆が集まって楽しめるイベントなので、ないととても寂しいので。大人は三線のコンサートを聴き、子供等はゲームや駄菓子で楽しむ、そんな時間をまた作りたいです。」子供から大人、地元の人から観光客まで、様々な人たちがいろんな形で利用する浜方ふれあい館。ルリ子さんが目指す「気軽に交流できる場」として、これからも地域の皆さんと一緒に歴史を繋ぎます。宇久島へ訪れる際は、ぜひお立ち寄りください。

 

基本情報

浜方ふれあい館

電話:0959-57-2378

住所:〒 857-4901

長崎県佐世保市宇久町 平 3281-79

営業時間 :9:00 ~ 16:00営業日 :毎週土・日曜日・祝祭

(事前予約にて平日でも対応可能です。)

休日:平日

料金:無料

アクセス:< フェリー > 佐世保港から約 200 分、直行便で約 145 分、平港着後、徒歩約13分。

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【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2022秋号

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