五島列島を満喫するフリーマガジン「fullyGOTO」と地元在住のライターチーム「fumoto」が取材した記事を発信する、情報サイト

第37回 五島で輝いている人

五島つばき蒸溜所

小元 俊祐(おもと しゅんすけ)さん

お酒の製造販売企業にて、30 年以上勤務。ウイスキー、スピリッツなどの広告宣伝やマーケティング業務に従事。氷結担当時代のチームで一緒だった 3 人で、50 代新たなチャレンジ、五島で GIN づくりを始める。

 福江島の北東、大きな道を外れ細い山道をくだると現れる半泊集落。碧い海と丸石の海岸をぐるりと山が包み込み、美しい風景が広がるこの土地に昨年12月誕生したのが『五島つばき蒸溜所』です。立ち上げたのはお酒にずっと関わってきた、元同僚の3人衆。小元さんはマーケティングディレクターを努めます。

ストーリーのある唯一無二の土地

 「コロナ禍に、どこで・どんなお酒を、というコンセプトワークを行っていて、2021年月、半泊を初めて訪れました。風景や自然の美しさはもちろんですが、教会堂や潜伏キリシタンの歴史など、他にはない、人と自然が作り出したさまざまなストーリーを感じました。」お酒づくりには『ものがたり』が大事と語る小元さん、こうしていくつかの候補地の中から半泊を選びました。

クラフトジンは、土地を表現するお酒

「ジンはボタニカル(香味植物)を使ってつくるお酒で、柑橘類やお茶、スパイスなど、さまざまな素材を蒸留し、ブレンドしています。クラフトジンで、風景や歴史はもちろん、僕たちがここ半泊で感じた『慈愛』を届けたいと思っていて。実際に五島の椿のタネや柑橘などを使っています。普通は数種類のボタニカルをまとめて蒸留したりするのですが、ここでは17種類をひとつひとつ蒸留しています。こうすることで、それぞれのボタニカルの一番良いところを引き出すことができるんです。」これはブレンダーの鬼頭さんの提案。とても大変な作業ですが、GOTOGINの美味しさはこのこだわりと手間があってこそ。「蒸留するたびにできあがる原酒は微妙に変化するので、毎回その時の最高なブレンドを追求しています。なのでバッチごとに香りや味が実は違うんです。」

山本二三氏とのコラボシリーズ

 「お酒造りをするという段階で、限定品を作りたいなというのは決めていて。やるならば五島にゆかりのある人とコラボしたいと思っている中で、山本二三さんに依頼をさせてもらいました。快諾、そして6種類の絵を提案いただき、先月11月に作品全ての限定ラベルボトルが出揃いました。限定ラベルのGOTOGINは、ラベルの風景をイメージしたブレンドをしているんです。いずれは上五島のボタニカルを使った上五島のGOTOGINも作りたいなと構想を練ったりしています。」

五島列島から世界へ 

次の目標は、世界で五島のGINが評価されること。「当初は日本のクラフトジン市場が小さいということもあり、海外輸出に力を入れないと、と思っていました。でも嬉しい誤算で、国内、それこそ島内でたくさん飲んでいただくことができていて、今は製造が追いついていない状態。でも原酒の貯蔵用タンクを増やす等、ひと月に作れる量を増やすための改善をしているので、早いうちに海外にも出していきたいです。」ジンの本場はやはりロンドン。至極のお酒が揃うこの場所で、「美味しい」と言ってもらえるジン作りを目指しています。「海外の人が、GOTOGINを飲んで気に入ってくれて、半泊の蒸溜所まで足を運んでもらえる日が来たら、最高に嬉しいですよ。」いろんな国の人々が、GOTOGINで日本の西の果て、五島の半泊を想う、そんな日は近いと感じました。

 

株式会社五島つばき蒸溜所
住所:〒853-0054
長崎県五島市戸岐町 1223-5
営業時間:月~土 10:00~15:00(ボトルショップあり)

公式サイトはこちら

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【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOT2023冬号

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