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第15回 五島で輝いている人

くらしの学校「えん」

小野 敬さん

神奈川県横浜市で生まれ育った小野敬さん、45 歳。大学を卒業後、東京に就職されましたが、1 年で退職。かねてより夢見ていた「自給自足のくらし」を実現したい想いで国内外を旅し、縁あって五島( 中通島) へ25 歳のときに単身で移住。全財産は4 万円だったと言います。廃屋同然の家に住み、生活環境を整えるため、湧き水を引き、橋をかけることから始められ、塩づくりをスタートされました。それから20 年目に入る今年、現いま在では、年に3 回「しまキャンプ」を開催し、昨年度より山村留学生の受入れも積極的に取組まれています。単身で始めた生活も14 年前に人生の伴侶を得、お子様にも恵まれ、にぎやかな暮らしになりました。

「自給自足のくらし」を夢見るようになったきっかけと五島に辿り着いた経緯をお聞かせください。

元々は、田舎のこどもが都会に憧れるように、都会で生まれ育った自分にとっては田舎のくらしが憧れでした。

こどもの頃は、 ※「北の国から」というドラマが好きで、よく観ていました。

そんな子供時代を過ごし、大学生になって行った北海道一周旅行では「必ず『富良野』には立ち寄ろう」と決めていて、実際に行きました。そのほか、ブラジルやアメリカにも旅をし、そのような暮らしをしたいという想いは更に高まりました。

大学卒業後はサラリーマンも経験しましたが、その想いはなくなることはなく、1年で退職し、理想の生活を送るための場所を探す旅に出ました。2年半ほど、日本全国をヒッチハイクをしたり、お金がなくなれば現地でアルバイトをしたりという生活を送り、ほぼほぼ「長野県」で決まりかけていた頃、もう一度九州に行ってみたくなりました。

そんなとき、友人から五島で「自給自足生活を送っている人がいる」と教えてもらい、お会いする機会を頂きました。その時、一緒に「塩づくり」をされている方とも話ができ、「これから『塩づくり』を地域の産業にしていきたいから、若者の手を借りたい。」ということで、お誘いを頂き、二つ返事で移住を決めました。

※1981 年~ 2002 年北海道の富良野市が舞台。

大自然の中で暮らす一家の姿を描いたドラマ

「くらしの学校『えん』」の名前の由来を教えてください。

えん…塩づくりの「塩えん」。ご縁がつながる「縁えん」。循環する「円えん」。他にも色々ありますが、主にこの3つの「えん」の意味から名付けました。

「しまキャンプ」を始めたきっかけは何ですか?

友人に誘われスタッフとして大村で開催されたキャンプに参加した際に、「自分でもやりたいなぁ」という想いが芽生えました。翌年、文部科学省委嘱事業として補助金の募集があったので応募したところ採択されたので、それをきっかけに始めました。一番初めの参加者は11人でした。火をおこすための流木集めから始まり、自分たちで火もおこすので、それがなかなかうまくいかず、一日中ご飯を作っていたのを思い出します。女の子の参加者もいて、最初は「家に帰りたい」と泣いていましたが、キャンプが終わる頃には「家に帰りたくない」と泣いていました(笑)。普段何気なく与えられている生活環境のひとつひとつを自分たちの手でつくり上げることによって、その大切さに気づき、感謝する心をもち、自分ひとりでは出来ないことを仲間と助け合うことで克服し、協調性・社会性をはぐくんで欲しいそんな想いから開催しています。現在では春・夏・秋と年に3回定期的に開催し、今年の夏では47回目を迎えます。参加者は、長崎県内を中心に九州北部地区から来られる方々が主ですが、全国各地から集まります。

「山村留学」を始めようと思った理由、そして実施されてみていかがでしたか?

これまで18年「しまキャンプ」をやってみて感じたのが、キャンプはどうしても短期間なので、「非日常」であり、「思い出」という形で終わってしまうということです。そうではなく、日常をこの場所で過すことで感じることはもっともっとたくさんあるので、それを味わわせてあげたいという想いから昨年度から受入れを始めました。実際、一年間過してみて、思っていた通り留学生にとってはもちろんですが、地元の子ども達にとっても素晴らしい影響や成果があったように感じています。

今後、目指すところを教えてください。

自給自足生活のベースは、ほぼできつつあるので、今後は山村留学生の受入れに力を入れていきたいと思っています。常時3名の留学生がいるのが理想ですね。

fullyGOTO2018夏号掲載

【取材・執筆・掲載】fully編集部

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