五島列島を満喫するフリーマガジン「fullyGOTO」と地元在住のライターチーム「fumoto」が取材した記事を発信する、情報サイト

第31回 五島で輝いている人

五島列島奈留島 三兄弟工房 葛島 勝幸さん

福江島からフェリーで約45分。五島市奈留町には、小さなアクセサリーやお土産品から大型の看板までを手がける木工工房、三兄弟工房があります。

始まりのストラップ

 奈留島には世界文化遺産の構成資産となった江上天主堂があります。当時天主堂に関するお土産品が無く、ご自身たちがカトリック信徒である葛島三兄弟は、イベントで訪れた方へ自作の江上天主堂ストラップをプレゼント。これが大変好評となりました。これをきっかけに、東京で行われた全国の離島イベントなどにも出展し、三兄弟工房が始まりました。

それぞれの得意を活かして

 「三兄弟工房」は、葛島家の兄弟である義信さん、広春さん、信広さん、そして2017年にターンで帰ってきた勝幸さん(義信さんの長男)で営んでいます。三兄弟は、大工を本業とし、木材を扱うプロ。そして、新しいもの好きで行動力がある勝幸さんが加わり、それぞれの性格と得意分野を活かした作品に技が光ります。特にそれが現れるのが、人気商品の一つ「でば開きストラップ」。包丁は長男、魚は次男、そして焼き模様入れは三男と、3人で作り上げる商品です。巷で魚のストラップは見かけるかもしれませんが、開きの状態の魚や、でば包丁付きのものは珍しいはず。釣り客などから特に人気で、工房では自分で作成することも可能です。

奈留に来たら

 「島のおすすめの楽しみ方は、人とのふれあいです。フレンドリーな人が多いので、店や観光地など気軽に聞いてみてください。」修学旅行の生徒が民泊で奈留島にも来た際、帰りにいつも学生達が涙を流して別れを惜しんでいるそう。二泊三日と短い中でも、心が通じ合う交流が生まれているのだなと思います。

 工房のそばには、勝幸さんのお母さんが営む「民宿かどもち」も。実家を自分達で改装し、部屋案内のプレートなど木工作品も随所にあしらわれています。食事が特に好評で、リピーターの方がとても多いそう。滞在中、夜の時間などを使ってゆっくりと工房で木工を楽しむのもおすすめです。

節目に贈られるものづくり

 工房には3台のレーザー加工機械があり、椿の枝などの細かいものから、大型の看板まで作成することができます。「木工作品を作られる方はたくさんいますが、レーザー加工の機械を持っているところは意外と少ないんです。その上、製材も行えるとなるともっと少ない。うちはそれらが自前でできるので、そこが大きな強みです。」勝幸さんはその幅を活かし、島の素材を贈り物として利用してもらえるよう、アイディアを募らせています。

 「ウェディング関係の商品に力を入れたいと思っています。ウェルカムボードは、文字はもちろん写真のレーザー転写もできますし、お土産としても人気のコースターは、お持ち帰り頂ける席名札としても活用できます。他にもリングピローなど、ご要望に合わせていろんな形で木工のお手伝いがしたいです。」

 新しいものにも積極的に取り組む勝幸さん。お土産、アクセサリー、販促品などから、まだ作ったことがないものでも、相談可能です。様々な場所や人々のそばで、五島の木が生きるものづくり、今後の作品も楽しみです。

三兄弟工房
電話:0959-64-4066
住所:〒853-2201 長崎県五島市奈留町浦253

民宿かどもち
電話:0959-64-2580
住所:三兄弟工房のすぐそば

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【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2022夏号

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