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五島ではたらく若者応援 fullyGOTO2019秋号 表紙の顔

fullyGOTO 2019年 秋号

表紙の顔 吉田 海人さん

今回表紙を飾ってくれたのは吉田海人(かいと)さん27歳。

1年前、9年間務めた福岡の美容室を辞めUターン。その後五島市の坂の上に自宅兼美容室(Leon Covo 参照P23)をオープンしました。

「隠れ家的なお店」をコンセプトに、お客様にゆったりと寛いでいただけるサービスを心がけています。

スタイリッシュで洗練された都会的なイメージを持ちながら、自然体で穏やかな語り口は20代とは思えない落ち着きをも感じさせてくれる素敵な男性です。奥様と1歳2か月になる娘さんと3人で暮らしていて、趣味は釣りと娘さんとの散歩。子育てにも協力的で子煩悩なパパです。

  • 美容師になったのは実はなりゆき

「美容師への憧れは全くなかったんです。」そう語る海人さん。

吉田家の長男に生まれ、弟二人の3人兄弟。幼少期は崎山の鐙瀬で過ごします。

「母方の祖父が漁師だったこともあり、いつもそばには海がありました。「海人」という名前もそこから来ていて、とても気に入っています」

小学校時代はソフトボール、中・高と野球に没頭。「高3で野球を引退すると、周りの友達が就活を始める中、就活は全くせず遊んでばかりいました。進学は考えませんでした。五島にいい就職先があれば職種はなんでもいいと思っていましたが、友達の多くが福岡に就職することを知り、軽い気持ちで福岡での職探しを始めました。」

学校でたまたま見つけた会社が希望に合っていて、ご両親も手に職を付けられるならと、賛成してくれたので、その後就職することになりますが、その会社が美容室を経営していることを後から知ります。「丸坊主だったのでむしろ美容師になることを友達にはずかしくて言えませんでした。」と言うくらい美容師への憧れは全くなかったと言うから意外です。

  • 辛くなかった修業時代

就職すると、すぐに会社の経営する美容室に入り、シャンプーと掃除ばかりの日々が始まります。「華やかな職場を夢見て入ったわけではなく、仕事内容へのこだわりもなかったのが良かったのか、修行時代も全く辛いとは感じませんでした。」と語る海人さんですが、学生時代に野球を通し培われた根性が、自然と我慢強さも身に着けさせてくれたのかも知れません。3年半のアシスタント期間を経て、国家資格も取得、晴れてスタイリストデビューを果たします。その1年半後、当時付き合っていた奥様と結婚。奥様とは同級生で保育園と中学校も一緒。大人になってからも遊び仲間のうちの一人だったそうですが、縁があったのですね。

  • 五島へのUターンもなりゆき?

結婚して娘が生まれると、子育ての環境について考え始めます。

「ちょうどその頃、五島は世界遺産登録前で湧いていて、きれいな海や自然豊かな風景がテレビでもよく映し出され、次第に五島へ意識が向くようになりました。」

その後、夫婦で話し合い、9年務めた会社を辞め五島へ帰ることに。

「華やかな都会より、幼少期からいつもそばにあった海が大好きだったのも決め手の一つでした。」決めたら行動の早い海人さん。福岡で働きながら自宅兼美容室の建設を始めます。

「お店は従業員を雇わずずっと一人でやっていこうと決め、自分好みを集めた、秘密基地のような感覚の店にしました。長時間を過ごす場所ですし、お気に入りの空間にしたかったので、店作りには一番気を使いましたね。」クロスや床材も全部自分の目で選び、棚なども廃材を使うなどし、DIY好きのお母さまと手作りしたそうです。海外から仕入れたこだわりの洋服などもさりげなく飾り、欲しい方には販売もしています。

「お店の名前は「Leon Covo レオンコーボ」。9年間お世話になった福岡の美容室「Leon」をいただき、イタリア語で隠れ家という意味の「Covo」を組み合わせました」

  • 今後も焦らずマイペース

客層は男女半々で、海人さんと同年代の20代から30代が多いそうですが、中には赤ちゃんや80代以上の方もいるそうです。「地元の美容室から独立した訳ではないので、固定客がつくまでは全ての方が初めてのお客様。2回目の予約を入れてもらうまでは満足していただけたかわかりませんね。」

中にはシャンプーの途中で寝てしまう人もいるそうで、特に女性の方が多いとのこと。リラクゼーション効果もありそうですね。

仕事をするうえで一番大事にしているのは『手入れが楽なこと』「忙しい時代ですし、家でも簡単にセットができるよう、髪質をみながらカットなどさせていただいてます。」その甲斐あってか、オープンから1年、固定客も少しずつ増えてきたようです。

今後の目標を聞いてみました。

「とりあえずは、色んなことに手を広げずお客様の満足度を上げるための技術や、サービスのクオリティを追求し続けたいですね。」一人一人のお客様とちゃんと向き合い、落ち着いてサービスを提供したいと、完全予約制で、飛び込みのお客さまはお断りしていますが、今のところ定休日は設けず、いつでも対応できるようにしているそうです。

「ゆとりのある予約管理をし、休みたいときは予約を入れないようにして家族との時間も大事にしています。」「自分の人生、すべてなりゆきでここまで来たんです」と本人は言いますが、決して楽な方に流されて来たわけではなく、就職も、結婚も、Uターンも、その時その時で出会った選択肢に真剣に向き合い、自分に正直な道を選択して来たからこそ、結果に満足することができているのだろうなと話していてそう強く感じました。

fullyGOTO2019秋号掲載

【取材・執筆・掲載】fully編集部

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