五島列島を満喫するフリーマガジン「fullyGOTO」と地元在住のライターチーム「fumoto」が取材した記事を発信する、情報サイト

※fullyGOTO春号【3月10日発刊】の訂正について
一部料金に誤りがございました。
P42 ORC様 運賃のご案内 長崎―五島
【誤】5,600円~ →【正】6,650円~
誤記により、ご迷惑をお掛けしました方々には、この場を借りて深くお詫び申し上げます。

fullyGOTO春号の訂正について

第26回 五島で輝いている人

株式会社はまぐりデッキ 宇戸淳子さん
結婚を機に五島へ
 宇戸さんは福岡県・博多区出身。21年前、自身の結婚を機に新上五島町へ住むこととなりました。
 「福岡にいるときは、博多港のフェリー太古の存在や、五島のこともほとんど知りませんでした。そんな中、職場の車屋さんで五島出身の主人と出会い、結婚し、新上五島町で暮らすことになりました。島に嫁いでからも、主人の自動車会社で18年間、事務の仕事をしてきました。現在はまぐりデッキをオープンして3年目になりますが、自分がカフェをやるとは少しも思っていませんでした。」
すっかり五島に馴染んで、一見まるで根っからの地元民のようにも見えてしまう宇戸さんですが、福岡から嫁いできたからこそ、感じることが多かったと語ります。 「福岡からフェリー太古に乗って、早朝に五島に着いても、朝ごはんを食べられる場所がわからなかったんです。主人は帰ってすぐ眠るんですけど、私はお腹が減ってしょうがなかったので。トーストとコーヒーだけでいいから、どこかで食べられないの?という、どうしたらいいかわからないことはありましたね。」
 そんな思いが、フェリー太古から五島へ降り立った観光客の方への朝食など、これまでなかったサービスに繋がったといいます。
 「五島に嫁ぐということは相当なパワーがいる事ですけど、島外から嫁いできた人というのは島を良くできるアイディアがあって、島を悪くするということは絶対にないと思います。だから同じ立場のスタッフの子にも、私たちは選ばれた人間なんだから誇りに思おう、と声を掛け、お互い励まし合うこともあります。」

誰もが訪れやすい場所を目指して
オープン前は、「このままでは島の元気がなくなってしまう」、「島の子供たちが集まれる場所を作りたい」、という想いがあったという宇戸さん。オープンから3年目の現在で、変化したことはあったのでしょうか。
当初から、インスタ映えスポットとして、みなさんに注目、応援して頂けました。しかし、ふと感じたのが、地元の中高年の方々の姿をあまりお見かけすることがなかった様に感じていました。ご近所さんの声を聞くと、興味メージを持たれてしまっていたんです。しかしひとつのきっかけとして、ご年配の方々のクリスマス会の様子をSNSにアップしたところ、良い反響があったんです。『私たちも行ってもいいんだ』と思っていただけたのかもしれません。今では80代の方だって来て下さいますし、幅広い年代の方に利用してほしいと思います。本当にお気軽に大丈夫なので、みなさんが来てくださるのをお待ちしています。」音楽ステージやマーケットなど、様々なイベントを行ってきたはまぐりデッキ。みなさんが集まれる場所として、イベントの場所提供も軽い感じから始まったことが多いそうです。みなさんもニーズに合わせて、気軽に相談してみてもいいかもしれませんよ。

移動販売について
も経営する宇戸さん。今のような時代だからこそ、これから大事にしていきたいものがあるといいます。
 「コロナがあって外出できず、家での時間も増えていますが、こういう時期だからこそ移動販売といった、こちらから地域の中へ入っていけるようなスタイルが必要だと思います。 
 今新上五島町で移動トラックを使ってお弁当の販売をしているところは少ないとは思いますが、私たちもお弁当を届けたくても、それを売っていいと言われる場所がないのが現状です。もしかしたら私ひとりの声では届かないのかもしれないですけど、賛同してくださる方がいて、もっと横の繋がりを強めていけたら、色々なお店のお弁当のマーケットのような場所が作れるかもしれないということも考えています。実際に私たちの移動トラックに興味を持たれている他のお店屋さんもあるので、ぜひこれからそういう方々と一緒になって、移動販売というスタイルを広めていけたらいいなと思います。」

「はまぐり」という場所
「誰が見ても読むことができて、みなさんに親しんでほしい、という想いが主人にあり、漢字を使わずに、はまぐりデッキ、という名前にしました。」はまぐりデッキは、この蛤(はまぐり)という地区からのたくさんの支えを受けているからこそ運営ができているといいます。
 「はまぐりの住民のみなさんは本当に美化意識が強いと思います。それは自分の地区が観光地として多くの人から見られているとわかっているからこそです。ゴミが落ちていたら拾うのはもちろんですし、蛤浜の清掃活動を年間通して行ってくださる方もいます。
 本当に頭が上がらないし、頑張らなきゃ、という気持ちにさせてくれます。最近はまぐりで出会った住民の方とLINEを交換したんですけど、最後の一言に必ず、『頑張れ、淳子さん!』と言ってくれるんですよ。
 蛤浜の景観を崩すんじゃないか、とオープン当初思っていたよ、と言う住民の方もいらっしゃいます。でもそれが今ではこうして応援してくださるようになって、本当にいつも支えられています。」
 新上五島町はこれなしには語れない、というくらいに大きな存在である蛤浜海水浴場。そしてそこにスタイリッシュに溶け込み、調和しつつも温かい心で、はまぐりデッキはみなさんを迎えてくれます。
 これかも地域と共に、優しい時間が流れる新上五島町の拠り所として存在していくでしょう。

株式会社はまぐりデッキ
【TEL】0959-43-0510
【営業時間】11:00~17:00
【住所】〒857-4211 新上五島町有川郷1460-1
【時間】10:00~18:00(SUMMER) 11:00~17:00(WINTER)
【休日】不定休

グリデ・キッチン
【営業時間】7:00~18:00(L.O. 17:00)
【休日】不定休

【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2021春号

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